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Google Analytics、e コマース機能・レポートの導入効果

Google Analytics(グーグルアナリティクス)のe コマース レポートは、その名称からインターネットで通信販売を行うECサイト専用のレポートと捉えられがちですが、ソフトウェアやホワイトペーパーのダウンロード、お問い合わせ、資料請求を目標に設定している企業サイトでも利用可能なレポートです。

e コマース レポートには、企業サイトでも利用者の行動分析に役立つデータが含まれています。
そこで今回は、資料請求を目標に設定している企業サイトを例に、Analytics において、目標のみを設定して投資対効果を評価する上での課題と、e コマース機能(e コマース トランザクションのトラッキング)の導入効果をご紹介します。

正確な投資収益関連の指標を把握してこそ可能な投資対効果の判断

Google Analytics Goal ValueAnalytics では、コンバージョン・目標達成によって得られる収益を目標値として設定します(右図参照)。
目標値とは、平均コンバージョン バリューなど、投資収益関連の指標の計算に使用される値です。目標に資料請求を設定する場合、目標値は、商品の価格と資料請求によって契約が成立する割合から算出した固定平均値(=価格×(資料請求による成約数÷資料請求件数〈合計〉))を設定します。

目標は、1つのプロファイルにつき4つまで設定できます。
しかし、様々な商品を扱っているサイトであっても、1つのプロファイルでは4つの目標値しか設定できません。従って、取り扱っている商品点数(価格)が多いほど、正確な目標値を設定するのは困難です。

またAdWords などのリスティング(検索連動型)広告を利用している場合、キーワードの投資収益率は、キーワードの広告費用と資料請求の対象となった商品の価格によって大きく異なります。

キーワードの費用帯効果ばかりではなく、サイトの投資対効果を的確に評価するためには、正確な目標値の設定が必要になります。正確性に欠ける数値によって算出された指標を基に、投資対効果を判断するのは大変危険です。

e コマース機能を導入して、資料請求による収益を商品別に設定することで、"より" 正確な指標で投資対効果を的確に判断できるようになります。
ただし、e コマース機能を導入しても、目標値と同様に算出した収益(数値)を設定する状況は変わりません。指標に関する不確実な要素を完全に消し去ることはできませんので、設定している収益は定期的な見直しが必要であることを忘れないでください。

購入までのセッション数・日数レポートから利用者の購買傾向を分析

e コマース機能の導入により、商品または商品カテゴリー別に利用者の行動を分析できるようになります。またアドバンスセグメント機能を使用すると、e コマース関連の指標とディメンションによるセグメントでサイトの利用傾向を分析できるのも、e コマース機能導入効果の一つです。

Analytics のe コマース セクションで利用できるレポート

  1. 概要
  2. 合計収益
  3. コンバージョン率
  4. 平均注文額
  5. 商品の販売状況
  6. 商品のサマリー
  7. 商品のSKU
  8. カテゴリ
  9. トランザクション数
  10. 購入までのセッション数
    ウェブサイトの利用者が購入に至るまでのセッション数に関するレポート
  11. 購入までの日数
    ウェブサイトの利用者が購入に至るまでの日数に関するレポート

Google Analytics 購入までのセッション数 レポート
Google Analytics 購入までのセッション数 レポート

上記[購入までのセッション数]と[購入までの日数]レポートは、利用者の行動や傾向を知る上で大変有益なレポートです。
例えば、購入に至るまでのセッション数が多いサイトの場合、初めて訪れた利用者に対して、訪問後にコミュニケーションをとるための施策が必要でしょう。またリスティング広告で入札するキーワード戦略の見直しも必要かもしれません。
購入に至る利用者の傾向を把握することで、サーチエンジン対策(SEO/SEM)はもちろん、サイト全体の成果向上に必要な施策を策定できるようになります。ぜひご活用ください。

まとめ

最後に、Google Analytics の目標値と e コマース機能の導入効果に関してまとめます。

  • 様々な商品を扱う企業サイトが、e コマース機能を使用せずに目標値のみを設定している場合、投資収益関連のデータ精度向上には限界がある。
  • e コマース機能を使用して商品別の収益(価格)を設定することで、収益データの精度が高まり、"より" 正確な指標で投資対効果を的確に判断できる。
  • e コマース機能の導入によって、商品または商品カテゴリーなど、 e コマースの指標とディメンションによるセグメントでサイト利用者の行動を分析できる。
  • サイト全体の成果向上において、購入に至る利用者の傾向を把握することは重要である。


※「まとめ」を加筆しました。(2009年5月28日)

追記(2010年4月23日)
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