私が住んでいたグァナファト州レオン市(以下、レオン)は、靴の生産が地場産業の人口がおよそ100万の街です。
レオンは遺跡などの観光資源は全くないので、日本人ばかりではなく観光客らしき人を見かけることはほとんどありません。
レオンは街全体が靴関連産業の集積地となっていて、例えば靴を収める紙の箱を扱うお店、革を縫い合わすための専用ミシンを扱う店など、靴関連の専門店を至るところで見かけることができますが、靴の街、レオンでメキシコ雑貨を扱うお土産屋さんを探すのは困難で、レオンのお土産=靴となります。
昨年日本で靴の修理をされている職人の方に街を案内したら「修理に必要な道具全てを揃えられる街があるんだ」と興味を示し、「もっと滞在したい」「また来たい」と仰っていたほどで、世界でもレオンのような街は珍しいのかもしれません。
以前、南米(たしかブラジル)からメキシコまで陸路で旅して来た日本人の方とお会いする機会があり、彼は観光地はどこも「同国人」と「観光客」に値段が違うけどレオンはそういったことがなくてお金を安心して払えると言って喜んでいました。
レオンもそれなりに大きな街だから外国人が多くても不思議ではないんですけど、住んでいる外国人と言えば、メキシコ人と結婚したから移住してきたような外国人(主に北米、中南米の人たち)が目立ちますす。街の景観もレオンから車で1時間位の街、グァナファト市とは全く趣が異なり、街自体が産業で成り立っていることを醸し出しています(グァナファト市は世界遺産にもなっていることから旅行者が多いので、比較対象としては適当ではありませんけど...)。
そんなレオンに住んでいると、特にアジア人は珍しいのでアミーゴに「何人だ?」と聞かれることは珍しくありません。
「りんごは日本語で何と言うか」とか、近所の子供から無邪気に聞かれることもしばしばで、おかげで子供たちと楽しい時間を過ごすことができました。
ちなみにレオンの靴産業のほとんどがメキシコ(国内)資本で成り立っていて、他の産業と違って外資がほとんど(あるいは全く)入っていないから外国人が少ない、と言うのが私の分析です。