辛うじて動いている、と言う表現がピッタリな70年代頃のダットサンのサニーを日本で見かけることはないでしょうが、メキシコでは珍しくありません。道路を走っていて隣の車線はスムーズに進んでいるのに自分の車線だけ何故か詰まっている時は、前でそんな車が白煙をあげながら一生懸命走っています。
もちろん車がやっと走ろうと渋滞の原因になろうとも問題はないのですが、個人的にメキシコ人の車に対する考え方は理解に苦しむところがあります。
私の隣に住んでいる家族はJeep Libertyに乗っているんですが、以前自分の家の電話が故障した時に、隣の人に電話が繋がるか聞いたら「電話は持っていない」とあっけらかんと答えられ、返す言葉に困ってしまいました。メキシコでJeep Libertyは車体だけでも250万円以上しますから、それをローンでも買える(=それなりに収入がある)のなら電話位持っていて可笑しくないと思うのですが、月々の電話の基本料金を支払うのは惜しいけど、車ならいくら払っても惜しくないということなのでしょうか。最近は日本でも携帯しか持っていない人も多いことを考えれば驚くべきことではないのかもしれないけど、お隣は家族で住んでいるんだから学校から子供が熱を出したとか急な出来事に備えるためにも電話はあるべきだと思うんですが、これは既におじさんの考え方なのかもしれません。
更に周りを見渡してみるとVWのNew Beetle(VWの通称かぶと虫ではない)に乗っている人も電話がなかったり、メキシコは乗っている車で人を見定める風潮も強いことから、車にお金をかけている人は意外に多いんです。
しかも70年、80年代の車に新品のカーオーディオを積んでCDを大音量でかけながら車を転がしているメキシコ人も少なくなく、個人的には「オーディオの方が車本体より下取り価値があるんじゃないの」って可笑しくなってしまいます。
世界中、若い人が車にお金をかけるのは同じということなのでしょうか。そう言えばアメリカでも音楽を大音量で鳴らしてい車を運転していたのは中南米系が目立ちました。